伊藤 東涯 いとうとうがい
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竹林は暗く、日も通らない。 流れる泉の音は穏やかのものではなくまるで雨のようだ。 春風が吹くにはしかるべき時期を待たなければならない。 桃李の花は土手際に咲き乱れる。 庚辰の秋、子の善韶(東涯の子供)、審定す。「極め」 |
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社会的に恵まれない、なかなか芽が出ない、境遇は雨の如く厳しい。しかし今までやっていたことが評価されるにはそれまで時期を待たなくてはならない。 最後の一文は、「桃李、自ずから道あり」の古典を引用したものと思われる。人徳のある、もしくは優れた人物のもとには、宣伝がましくしなくても勝手に道ができるすなわち、人が集まってくるという意。 26p×44.8p |
寛文10年(1670)生〜元文元年(1736)歿 |
江戸時代中期の儒学者。伊藤仁斎の子で、古義堂の2代目。名は長胤、字は原蔵・源蔵・元蔵。 署名はなく、朱文の「長胤」、白文の「原蔵氏」の落款印が押されている。本紙と極めとの繋ぎ部分に朱文の「大雅」、「善韶審定」の下に白文の「善韶之印」の落款印が押されている。 推奨サイト http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E6%9D%B1%E6%B6%AF http://www.geocities.jp/goromaru134/goromaru/tokai07.html http://www.norinagakinenkan.com/norinaga/kaisetsu/ito_tougai.html http://www.kagiya-1600.com/story/zz_tougai2.htm |